人気の撮影地を避けたい理由

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写真論
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人気の撮影地で作品を作るのは難しい

コンクールや写真展のためにガチの作品作りをしたい。そんな時みなさんはどうしていますか?風景写真は被写体の選定でほぼ決まる…そういわれることがありますよね。

例えばSNSでいいね!が多くついている写真を調べ、同じ場所に撮りに行くという方法がありますが、そのような”いいね!”がたくさん付く人気の撮影地では、作品作りが難しい場合が多いです。

今回の記事で「それはなぜか?」「ではどうすればいいのか?」を考えてみます。

オリジナルの作品が撮りにくい

過去にそこで多くの作品が作られている

苦労してたどり着いた人気撮影地。何度もチャレンジして、ついに理想的な条件で写真を撮ることに成功したとしましょう。嬉しさもひとしおです。しかし家に帰って冷静に写真を確認すると、

うさぎ
うさぎ

なんか似たような写真を、今まで何十回も見たことあるなぁ…。

…という事実に気づくことがあります。残念なことに既視感が強い写真が作品として認められることは少ないんですよね

上に挙げた「霧のブナ林とツツジの写真」を所属する写真サークルの例会で見てもらったところ「きれいだね」の一言のみでほぼ反応無し!ショックでした(笑)

おそらく既視感が強いので「よく見る写真」「観光写真的」という評価だったのでしょう。ちなみに自分としては気に入っているので、今でも部屋に飾っています(泣)

場所(被写体)に撮らされる

森の大橋。人気の撮影地。

人気の撮影地には既に「正解」(一番良いとされる構図や時間帯が決まっている)があったりします。

その条件をクリアできればきれいな写真が撮りやすいんですね。だからこそ人気が出て多くの人が集まるのでしょう。それはとても良いことなのですが、オリジナルの作品を作りたい人にとってはハードモードの場所になります(涙)

自分の視点・感性を表現しにくい

為内の一本桜

為内の一本桜。きれいな写真ですが既視感があります。

きれいだね」は必ずしも誉め言葉ではないと聞きます。言葉を選ばず言えばそれは「見るべきところがない写真でした」「特別な感想を持てませんでした」というニュアンスを含む場合があるからです。きれいなだけの写真は撮影者の視点・感性が見えにくくなります。

上に挙げた「為内の一本桜」の写真は、これはこれで美しく撮れた写真だと思いますし自分でも気に入っているのですが、他のたくさんの人たちも同じ状況・構図で撮っているので「作品」として発表はしにくいです。「面白い写真や、新しい感性の写真が見たい」という人にも楽しんでもらえる写真を撮りたいものです。

新しい構図を探すのは難しい

人気の撮影地の有名な構図は、それが一番美しいとたくさんの人が認めてきたから定番構図として知られているわけで、それを超える構図やシチュエーションを探すのは難しいことが多いです。

人気撮影地で新しい価値を生み出すことに挑戦して成功した人もいらっしゃるでしょうが、難易度が高い気がします。ではどうすればよいでしょうか?

他人が撮らない場所・状況を探す

競争の少ない場所(ビジネス語で言うところのブルーオーシャン)があれば良いのですが、身近になかなか適した場所が見つからないこともあります。そんな時は場所ではなく撮影条件を変えるという手段もあります。

悪天候はチャンス

有名撮影地ですが、吹雪で背後の岩手山が隠れて、シンプルな構図にすることができました。

台風、大雨、大雪…。外に出るのを躊躇う天候ですが、悪天候の時ほど面白い写真・オリジナルな写真を撮れるチャンスが生まれます。そういう時に撮影するのは本当に大変ですけどね(涙)カメラを悪天候から守ることを忘れずに、頑張って出かけてみましょう!(…と自分に言い聞かせています笑)

時間帯を選ぶ

霧氷

冬の冷え込んだ早朝。

日の出前、早朝、深夜など。あまり人が出歩かない時間帯こそ、見る人の興味をひく光景が広がっています。また早朝・夕方のマジックアワーは光の質・角度が良いので被写体を美しく表現しやすいですね。

同じ場所に何度も行く

霧氷

この場所で霜がきれいに降りるのは珍しいかも。

風景写真では「遠くに行くより近くに何度も通え」と言われます。その場所の朝も昼も夜も、四季折々の変化も知っていれば、撮る写真が変わってきます。他の人と違う視点・知見・経験を得られるかもしれません。

自分の思いを写真に反映させたい

師走

タイトル「師走」。本当に師走に撮った写真。

場所や被写体の持つパワーや美しさに依存せず、自分の意志で風景を切り取っていきたいですね。人気の場所の撮影も楽しみつつ、オリジナルの作品作りにもチャレンジしていきましょう!

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