過剰なレタッチも場合によってはOK。ただし…
レタッチはあくまで”手段”じゃないかな~。
撮った写真を「何に使うのか?」によって手段は変わるよね。
アサヒカメラ2019年9月号の特集「風景写真があぶない!レタッチしすぎの罠」。
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この8ページの特集で主張された内容が話題になりましたね。ネット上などで賛否両論ありましたが、大きくまとめると次のようになるかと思いました。
- 賛成派:レタッチ過剰なものは写真と呼べない・写真の良し悪しではなくレタッチの技巧の腕比べになっている
- 反対派:レタッチは個人の好きにすればいい ・時代は変わり最適な手法も変化した・色やディテールを変える手法は昔から現場でも行われている(各種フィルター、ストロボ、フィルムの選別、jpgの設定など)
- 中立派:どちらでもよい・棲み分ければいい
(他にも定義の問題ではないか?という意見がありました。つまり「写真とは何か?」「風景写真とは何か?」それによって結論が変わるという意見です。)
私はレタッチそのものに善悪はなく「目的(何に使う?)によってレタッチは変わる」のではないかと思います。
不自然な写真はダメなのか?
特集内での写真家:米美知子さんの主張をまとめると…
- 自然風景を撮った写真が「不自然」なのはおかしい
- 過剰なレタッチは不自然さの原因となる
- コンテストで不自然な写真が入賞する現実があるので、そのような写真が多くなる
- 写真雑誌やプロ写真家もレタッチ技法をもてはやすので、傾向に拍車がかかる
- 写真が不自然なことにコンテストの審査員(プロの側)も気づく必要がある
一番言いたかったことは、レタッチ行為自体の良し悪しではなさそうだね。
「レタッチをするな、ではなく、出来上がった写真が不自然なのが問題だ」と主張されているね。
確かに不自然な風景写真に違和感を覚える方も多いでしょうね💦しかし各種SNSなどのように、不自然にレタッチされた写真がむしろ好まれている場所もあると思うんです。
目的から手段を考える
SNS映えを狙うと、レタッチ過剰になりがちだね。
というより、SNSではレタッチ過剰の写真が求められている気がするよ。
目的:SNSでいいね!やフォロー数がたくさんほしい→手段:目を引く画面構成が必要
SNSではきれいでわかりやすい写真が評価をもらいやすい傾向があります。
スマホの小さい画面に日々大量に流れてくる写真は、1枚0.5秒以下の速度で見飛ばされてしまうようなので…💦そのような環境下でいいね!をもらうには強めの刺激が必要になってくると思います。
それはわかりやすい被写体と構図・濃い色彩・強いコントラストとディテールですね。それにはレタッチの技術も必要です。レタッチ不足の自然な写真は、むしろ不利になるかもしれません。
目的:コンテストに入賞したい→手段:評価基準に合わせて写真を仕上げる
コンテストの評価ポイントが「自然の魅力をストレートに表現しているか」「撮影意図や視点に独自性があるか」「合成不可」だとしたら、レタッチは控えめにする方がよいでしょう。上の写真はあるコンテストで入賞した写真ですが、あまりレタッチはしていません。
逆に評価ポイントが「見映えがよいこと」「わかりやすいこと」「画質が優れていること」などだとしたら、不自然な写真になるかもしれませんが、レタッチを頑張ってそれなりに仕上げる必要があります。
目的:他人に評価されたい→手段:見てくれる層によってレタッチが変わる
写真展に出す、カメラ同好会のミーティングで写真を見せあう、仲間内で写真を見せあうなど、人に写真を見てもらえる機会はたくさんありますが、評価を受けるためには誰に見せるかを考えた仕上げが必要になりますね。
写真展であれば、主催の団体の志向性や観客の層(地域・年齢・写真への関心度など)によって変わりますし、それは同好会のミーティングでも同様かと思います。
レタッチは”手段”
「レタッチ」と「化粧」って似ているって思うんだよね。
TPOに合っているかが大事ってことだね。
レタッチと化粧は似ていると思っています。場所やシチュエーションによって、濃いメイクが必要なこともあるし、ナチュラルメイクの方が場にふさわしいこともありますし…。レタッチも同様のことが言えるかと。
私は必要な時に必要な分のレタッチを加えることができるようになりたいので、レタッチをもっと練習しなきゃな~と思っています。同時にどのくらいが適切か見極める目と感覚を養っていきたいです。
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